京商 プログレス4WDS
引用元画像:ビンテージRCコミュニティ
📋 基本情報
| メーカー | 京商(Kyosho) |
|---|---|
| 機種名 | プログレス4WDS(Progress 4WDS) |
| シャーシ略称 | プログレス4WDS |
| 型番 | 3067(初期型番) |
| 発売時期 | 1984年 |
| 価格 | ¥19,800(当時価格) |
| 生産状況 | 生産終了(絶版) |
| カテゴリー | ラジコンカー(1/10スケール 電動RCカー) |
| サブカテゴリー | 4WDレーシングバギー(4輪駆動・4輪操舵) |
| シリーズ | 京商初の4輪操舵機構搭載モデル |
📏 シャーシスペック
| 全長 | 約405mm |
|---|---|
| 全幅 | 約231mm |
| 全高 | 約145mm |
| ホイールベース | 詳細不明 |
| トレッド | 詳細不明 |
| フレーム | アルミ製ハシゴ型シャシー |
| 全備重量 | 詳細不明(4WS機構のため他のバギーより重め) |
⚙️ 駆動系
| 駆動方式 | チェーンドライブ4WD(ラダーチェーン方式) |
|---|---|
| チェーン方式 | 前輪駆動用ラダーチェーンが車軸速度で前方へ伸びる ※ファントムEPで実績のある方式 |
| ワンウェイクラッチ | フロントに標準装備 ※加速時のみ前輪駆動、減速時は後輪ブレーキのみ |
| ギヤボックス | 鋳造アルミ製 ※最終減速ギヤのみ収納、中間減速ギヤはプラスチックカバー下 |
| モーター配置 | リアオーバーハング |
| モーター | ル・マン360PT(当時の標準モーター) |
| スピードコントローラー | 3段機械式スピードコントローラー ※プリント基板式(通称「スポットウェルダースペシャル」) ※セラミック抵抗2個で3速制御(低速:両方/中速:1個/高速:バイパス) |
🔧 サスペンション
| フロント形式 | ダブルウィッシュボーン + モノショック + トーションバー |
|---|---|
| リア形式 | ダブルトレーリングアーム + 左右独立オイルダンパー + コイルスプリング |
| フロントダンパー | 左右共用モノダンパー(初期RCカーで多用された方式) |
| リアダンパー | 左右独立オイルダンパー |
| サスアーム | 短めのアーム設計(ストローク制限あり) |
| 特徴 | フロントサスペンションは複雑な構造 |
🎯 4輪操舵(4WS)システム
| 操舵方式 | 4輪操舵(4 Wheel Steering) |
|---|---|
| ステアリング位相 | 後輪は前輪と逆位相のみ(カウンターステア) |
| 後輪操舵角 | 前輪の約25%(数度程度) |
| サーボ数 | 2個(上:ステアリング / 下:3段スピードコントローラー) |
| ステアリング特性 | 低速時は非常にクイックなターン性能 ※競技走行では神経質な挙動のため後輪ロックされることが多い |
💡 特徴
京商初の4WD + 4WS(4輪駆動 + 4輪操舵)バギー
- 1984年発売、京商の実験的野心作
- 4輪駆動+4輪操舵という当時としては革新的な機構
- 「京商版アバンテ」とも呼ばれる複雑なメカニズム
- フロントワンウェイクラッチで加速時の前輪駆動を最適化
革新的だが複雑な設計
- チェーンドライブ4WD(ファントムEP系譜)
- 前輪駆動用ラダーチェーンは非常に細く伸びやすい
- 4WS機構により小回り性能は優秀だが重量増
- 多数のリンクが外れやすい構造
- バッテリー配置は横置き+高位置でハンドリングに不利
サスペンションの特徴
- フロントモノダンパー(初期RCカーの特徴、性能は限定的)
- リアダブルトレーリングアームは路面追従性良好
- フロントアームは短くストローク不足
- 初期京商オイルダンパーは漏れやすい
機械式スピードコントローラー
- 3段機械式MSC(プリント基板式)
- 通称「スポットウェルダースペシャル」(接点溶着や過熱の傾向)
- セラミック抵抗2個で3速制御
- オイル漏れでギヤボックス周辺が汚れやすい
歴史的評価
- アイデアは革新的だったが、実用性には課題
- 京商がのちに「オプティマ」で大成功を収める前の試行錯誤
- RCカー史における実験的ランドマークモデル
- コレクターズアイテムとしての価値が高い
🔧 ぽすとそに工房での修理実績
修理難易度
★★★★★(非常に難しい)
パーツが絶版のため、難易度はかなり高くなります。構造は実にわかりやすいのですが、入手困難という点につきます。
よくある故障・注意点
- ラダーチェーン伸び - 細いチェーンが伸びて前輪駆動ロス
- 4WSリンク外れ - 多数のリンクが衝撃で外れやすい
- オイル漏れ - 初期京商ダンパーは漏れやすい
- MSC過熱・焼損 - 機械式スピードコントローラーの接点トラブル
- ワンウェイクラッチ分解困難 - 再組立が難しい
修理のポイント
- 交換パーツは絶版のため入手困難(ヤフオク、海外RCフォーラムなど)
- タイヤは特殊サイズのため代替品を探す必要あり
- ボールベアリング化で動作改善(初期は真鍮ブッシュ)
- 現代ESCへの換装推奨(機械式MSCは信頼性低い)
- 4WS機構は競技走行時にロック推奨(神経質な挙動)
その他の特徴
- コレクターズアイテムとして保存推奨
- 実走よりも観賞用・展示用に適している
- 同時期のギャロップ4WDSと部品共用
- 京商の技術的挑戦を象徴するモデル